2009-01-01から1年間の記事一覧

鳩山問題は何が悪いのか?:この期に及ぶメディアの悪あがき

二人の元秘書が起訴され、昨日(24日)は鳩山さんの弁明会見で終始した。折角のイヴなのにご苦労なことである。この問題を巡ってはまたぞろメディアなるものが街頭インタビューに繰り出して、「庶民感覚に欠ける」「国民は怒っている」「黙っていない」など…

鳩山・小沢の阿吽の連携?

先週末、国会議員140名余を含む総勢600名にも上る小沢訪中団が中国を訪れた。胡錦涛主席との今か芝居じみた握手会などもあって、小沢さんの権勢示威が最大の目的とマスコミは伝えるが、これは本当にそれに止まるのであろうか? いずれにしても前から計画され…

鳩山家の「子供手当」考から派生して

鳩山首相に続いて、邦夫さんも同額母親から資金提供を受けていたことが発覚したということだ。マスコミに登場しては兄の批判を繰り返す姿に違和感を感じていたが、これですっきりした。自民党も身内に同様のケースがあるのだとすれば、首相への追求の鉾先も…

JALの年金問題を考える:懸念は虚業三勇士の跋扈

JAL再建を巡っては、企業年金の削減問題ばかりがクローズアップされているようである。しかし肝心なのはJALが今後本当に再建可能か否かということである。日航OB氏だってJAL自体が破綻してしまえば、元も子もないことは充分に承知しているはずだ…

事業仕分けをパフォーマンス劇場にするな

今日(24日)から事業仕分けの後半戦が始まった。事業仕分け自体は国民の高い支持を受けており、鳩山内閣の支持率の下支え役を果たしているということだ。私も公開の場での事業仕分けには基本的に賛成である。 だが前半戦が終了したところで、現行の進め方に…

民主党が委ねられた期待を果たすために

日経新聞≪やさしい経済学≫の10月5日から始まった今回のシリーズは、<「社会科学」で今を読み解く>である。現在は学習院大学の井上寿一教授が、『国家ビジョンの再構築』をテーマに健筆を奮っておられる。 ここでは昭和戦前期を、20年というわずかな時間に…

そこが変だよ! 日本人の自己主張

わが家は東京郊外の戸建てである。10年ほど前に、100戸ほどが纏めて売り出された建売りであるが、植栽が豊富で、シックな外観で統一された街並みが気に入って購入した。戸建てに限らず建物は年数を経れば補修が必要となる。わが街も10年を経てこの何年かは屋…

性向の民族性:日本人はベンチャーに向かない?

わが国では性格が血液型によって決定されるという俗説が根強い。一方で血液型については民族“差”が大きいと言われる。こうしたところを併せて考えれば、性格には民族“差”が見られるとしてよいこととなる。ただ血液型性格決定論は俗説が先行しすぎている嫌い…

官僚OBの欲しがる三点セット

民主党が天下り根絶の方針を打ち出している。天下りが独法(旧特殊法人、以下独法)を乱立させ、そのことが財政負担を増し、財政赤字の一因となったことは間違いない。だが独法が全て無用なわけではない。充分に機能しているものも少なからず存在する。少な…

官僚の真髄は文書課にあり:そして民主党への苦言

お役所には文書課という民間では耳慣れない部署がある。こうした文書課は従来から、中央官庁、地公体ともにおいてその名称で設置されるのが通常であった。もっとも今では、中央官庁の再編等に伴ってそうした名称も使われることが少なくなったが、中央官庁で…

前原さんと民心、そして松下政経塾

前原国交大臣は頭がよいことは無論で、多分情誼にも厚い人だと推測する。懸案の八つ場ダム、JAL、羽田のハブ空港化など矢継ぎ早に着手し、早速快刀乱麻の活躍である。彼の場合結論が先に語られ、実に明快である。要するに立場が非常に分かりやすい。だが…

中川昭一さん逝く

中川昭一さんの死はショックだった。私は彼と直接面識があるわけではない。繋がりと言えば、第一に、私は彼の選挙区の出身であること、したがって第二には、彼の後援会には幹部として私の友人・縁者が多数加わっていたこと、そして第三には、政治記者だった…

亀井さん頑張れ!の意を込めて:借金返済猶予問題に思う

亀井金融担当相の中小企業に対する借入金の返済猶予に対して、与党内が揺れているとの報道である。気の早い向きはここで閣内不一致が高じれば、鳩山内閣は早くも瓦解してしまうとのご託宣をのたまう向きもあるようだ。だが本当にこれは与党内で一致出来ない…

福岡にて:観光問題を考える

先週は福岡に出張した。目的は九州大学のお目当ての先生との意見交換である。この時知ってショックだったのは、かの天神商店街でもそろそろシャッター店舗が問題になりつつあるという話である。時間がなくてその実態を自分の目で確かめることは出来なかった…

国家議員は自ら議員歳費を半額とせよ

一部報道によると、今回総選挙で当選した先生方に、8月分の議員歳費約230万円(文書交通費100万円を含む)がまるまる支給されるのだそうである。これをやらずぶんだくりといわずに何と言うのであろうか。心ある先生がたは須らく全額返上すべきである。ただし…

三宅久之さんに大賛成

テレビ朝日で毎週月曜日に放送される「TVタックル」で、政治評論家の三宅久之さん(元毎日新聞)が自民党の先生がたを前にして「16日の首班指名選挙では、白紙などというみっともないことは止めて、エールを送る意味でも、“鳩山由紀夫”と書いたらどうか」…

八つ場ダムへの「待った」と都市博中止

民主党のマニフェストについては本気ですべて実行するのかと、本欄で何度も書いてきた。いよいよ政権奪取が実現し、今後は、具体的に個別政策の実行の是非が問われることとなる。そうした中で、早速、八つ場ダムの建設中止問題が耳目を集めている。そもそも…

生真面目すぎる岡田さんは、党内事情の象徴?

昨晩(31日)NHKの各党幹部の討論会を見ていて、気になったのは民主党・岡田幹事長の生真面目さである。否、生真面目というより、率直には不器用さといった方がよいかもしれない。岡田さんは、自民党・細田幹事長等自公からのマニフェスト批判をかわすことが…

マニフェストはアラカルトに

先週の日曜日に麻生総理がわが街に遊説に見えた。狭い駅前は麻生さんが到着する随分前から満員御礼の大盛況で、ご本人が到着したときには女子高生から黄色声援があがり、その人気の強さには正直驚いた。麻生さんご自身もだいぶ気をよくされたようである。麻…

それでも民主党を支持しなければならない

このブログを読み続けてくれている友人から、先週抗議のメールがあった。内容は、私が民主党に肩入れすぎるというのである。彼はかなりの保守主義者であって、靖国問題、従軍慰安婦問題、国防問題、教育問題等々、これらに関する民主党の左派勢力の政策を怪…

『結党!老人党』に拍手

私ごとであるが、このブログを書き始めて今日で丁度1年である。今回の分は122回目になる。1年でほぼ120回であるから3日に1度書いてきたことになる。ただこれは最初の頃に書きたいことが一杯あって、ほとんど毎日書いたためである。最近は書きたいことが…

経済学は社会科学の女王か?

私は、若い頃に少し詰めて経済学の訓練を受け今現在も大学で教えている。しかし基本的に市井の研究者にすぎない。市井のという意味は、軸足がビジネスの世界にあり専門の研究者ではないということである。そうした目で見れば見るほど、経済学などはとても社…

細かすぎる民主党マニフェストへの苦言:メッセージが心に響かない

予想されたことではあるが、27日に発表された民主党のマニフェストにはやはり落胆した。私は今回の選挙で政権交代を熱望している。そうした意味では民主党の応援団である。だが発表されたマニフェストは究極のバラマキという点では自民党と大差なく、しかも…

ETCへの怨念から

私はそもそもETCに大きな不信感を抱いている。ETCなるものは高速利用者への便宜提供というよりはむしろ、高速会社側の料金徴収に関する合理化を第一義に目論んだものであろう。結果として料金所における混雑が多少緩和されたとしても、それは飽くまで…

“肝っ玉母さん”塩尻末子さんに学ぶ経営の原点

昨年11月13日の本欄で『一つの会社のあり方:野老(ところ)真理子さんに学ぶ』を書いた。野老さんのことを是非報告したいと思ったのは、タイトルに掲げたように、彼女の経営スタイルから学ぶことが実に多かったからである。彼女が経営する会社は、房総…

経済学者はおかしいことに気づかないことがおかしい(下)

(続き)これまでのところを整理すると、経済事象に関する実態に即した説明性の向上を求めて、経済理論に関してマクロ経済学→ミクロ経済学→比較制度分析(ゲーム理論等の行動経済学も分析ツールとして含む)と深化させてきたわけである。確かに比較制度分析…

経済学者はおかしいことに気づかないことがおかしい(上)

最初に私の出自を明らかにしておくが、元来私はビジネスマンである。会社役員を経て、現在はシンクタンクの一研究員であり、かたがた非常勤で大学でも教えている。ただビジネスマンとはいっても、若い頃に有力シンクタンクでエコノミストとしての訓練を受け…

自民党さん、本当にそこまでやるのですか?:東国原知事の担ぎ出し

報道によると、自民党は東国原さんを東京あるいは南関東で比例1位で処遇し、選挙後に大臣ポストまで考えているということだ。東国原さんを自民党に取り込むのは、彼の国民的人気に縋りつきたいためでしかない。この報道を見て、私は本当に自民党に愛想が尽…

天使か、悪魔か:東国原さんの快挙?

東国原さんがやってくれた。ポピュリズムの権化である東国原さんはどうにも好きになれない。その深層は彼の人間性ということであるかもしれない。テレビに相変わらず出捲くって、「政治家」の顔と「お笑い芸人」の顔を巧妙に使い分け、大衆を翻弄する。こん…

鳩山辞任とコーポレート・ガバナンス

鳩山総務相が辞任した。鳩山さんについては、草なぎ問題の時に触れたとおり、これはもしかしたらお育ちのよさのせいかもしれないが、政治家としておっちょこちょいすぎると思っている。したがって私自身の好感度は低い。彼の言っていることが正しくてもなく…