2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

短期的な経済対策は必要か?

29日政府は事業規模は11.7兆円に上る総合経済対策を決定した。財政支出いわゆる真水部分は2兆円で、赤字国債は発行しないと言う。 わが国のGDPは500兆円、財政予算80兆円から見て、金額的には評価出来るものである。事業規模が全て実現すれば、単純計算で…

石井慧選手と国民栄誉賞

最近沙汰止みとなっているが、一時北島康介の「国民栄誉賞」受賞が取り沙汰された。この賞はシドニーオリンピックの金メダリスト・高橋尚子選手を最後に受賞者はいない。 いずれにしても「栄誉賞」という賞は実に不可解である。授賞の基準がはっきりしないか…

「食料自給率低下など心配ない」は本当か?

食料自給率(カロリーベース)が40%を切り、主として食の安全保障の観点から議論が喧しい。これに対して経済学者は、「自給率の低下は問題ない」という論調でほぼ一致しているようである。 昨日(28日)の日経新聞「経済教室」にも、明治学院大の神門善久教…

伊藤和也さんを悼む−それにしても宗教−

アフガンの伊藤和也さんが祈り空しく遺体で発見された。謹んでご冥福をお祈りしたい。合掌。 それにしてもアフガンの再生に貢献したい。ただただそれを願っただけの無辜の命がなぜ奪われなくてはならなかったのか? 宗教は悩める子羊を救う。そして一旦その…

西洋的「二分法」に思う

7月下旬から8月上旬にかけて、日経新聞「やさしい経済学」に、北大の中島岳志准教授が『21世紀と文明−文明の衝突を超えて』というタイトルの論文を発表された。 詳しいところは省くが、西洋思想において支配的な主体・客体の「二分法」で単純にものごと…

景気対策に思う。 また中小企業対策ですか?

自民党内の景気対策を巡る議論は、中川昭一・元政調会長が積極予算を主張するのに対して、中川秀直・元幹事長は大型予算編成に消極的と、両”中川”を両端の極に展開しつつある。 昭一氏は同じく積極策を主張する麻生太郎・幹事長の側面支援に回り、秀直氏は従…

”美しく”勝つ

8月13日に谷本選手のことについて書いた。そこで言いたかったのは柔道は”美しく”勝たねばならないということである。ただこの”美しく”勝つは他のスポーツにも同様に言えることで、因みに女子ソフトボールの勝利は実に美しかった。 近年のオリンピックでは…

『Tomorrow』と銚子市立総合病院の診療休止

現在TBSから放送中されているドラマに『Tomorrow』がある。舞台は財政破綻の危機に瀕するとある地方都市。財政赤字の元凶は市立病院。そうした背景の中、その地域医療の中核機関である市立病院を”脳外科中心”のセレブ病院に生まれ変わらせて、財政再建の…

"Political Economy"と経済学

言うまでもなく、経済学は"Political Economy"を訳したものである。江戸期から明治にかけて種々の外国語が輸入されたが、その訳語の質の高さには舌を巻く。彼らに漢語の広く深い素養があってこそ、素晴らしく適切な語が与えられ、かつ造語されたものと思われ…

あぁ!! 日本橋、それとやっぱり北京オリンピック

日本橋はよく行く場所である。少なくとも週に一度は行っている。ただ好きな場所ではあるが、その景観の醜さには何時も不快感を感じて困ってしまう。醜さの元凶は言わずと知れた高速道路。つい先日も高速を走って日本橋を上から覗き込んでみて、改めてその醜…

T・クランシーに学ぶ:米国の憂鬱

T・クランシーはアメリカの作家である。彼の作品はジャック・ライアン・シリーズを中心に、わが国でも多くのファンを獲得している。ジャンルは国際政治ミステリーとか軍事ミステリーと言えばよいのであろうか。 彼の作品はエンタテーメントとしての面白さは…

「資本主義」対「資本主義」

フランス保険業界の重鎮M・アルベールに、『資本主義対資本主義』という名著がある。 ここでは社会主義(計画)経済が自己崩壊を遂げる中で、新たな対立軸が「資本主義対資本主義」に移行することが予見されている。 二つの資本主義というのは、一つが米英…

「美人投票」社会

このところさしもの原油高騰も一段落している。昨今の原油高ほど「市場万能主義」の欠陥を象徴しているものはない。 経済学においては投機の有効性が説かれる。しかしそれは飽くまでも、それがその商品の「将来の需給」を先取りするものである時に限られる。…

安倍さん、なぜお辞めにならなかったのですか?

(安倍晋三前総理への手紙) 終戦記念日のことを考えていて、昨年の今頃はまだ安倍さんが総理大臣であったことを思い出しました。あの騒動から随分と日が経ったように思いましたが、まだ1年なのですね。去る者は日々に疎しということでしょうか。 安倍さん…

終戦記念日に改めて思うこと

今年も8月15日がやって来た。63回目の終戦記念日である。小泉純一郎元総理のほか、現役閣僚の何人かが靖国参拝を行なった。昨年の今頃はまだ安倍晋三さんが総理大臣で、靖国に参拝するかしないかがマスコミを騒がせていた。それと比べると今年は親中派総理の…

私の中国人留学生諸君へ

北京オリンピックの開会式は圧巻だった。中国4000年の歴史の重みとエンタテーメントを絡めた見事なものであった。これには中国嫌いの妻と娘も素直に感動していた。総合プロデューサー張芸謀(チャン・イー・モウ)の才能に脱帽である。 ところがそのあと続々…

西水美恵子さんへPPKの薦め

8月11日付日経新聞の経済教室欄に書かれた西水美恵子さんの論文にまったく同感である。 西水さんはソフィアバンク・パートナーで、元世界銀行副総裁の肩書きを持つ方である。 同氏の論文は、人口減少問題に触れたもので、この問題を逆境とばかりにとらえ…

谷本選手の金メダルに思う

谷本歩実選手が12日女子63㌔級で金メダルを獲得した。 決勝の宿敵ドコス選手との一戦では、相手をきれいに裏返す見事な内股での一本勝ちであった。 そして谷本選手は試合後のインタビューに答えて、「一本勝ちを貫いて来てよかった。続く子供たちも一本勝ち…