2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

日経よ! 驕るなかれ

昨日は日経新聞主催の『ルールを作る:企業家精神と法』というセミナーに出た。 基調講演は、自民党衆議院議員の中川秀直さんと米グーグル社バイスプレジデントのKent Walkerさん、オリックス会長の宮内義彦さんの三人。パネルディスカッションのパネラーは…

中山大臣の辞任に思う−言い分はしっかり聞こう−

中山成彬・国交大臣がたった5日で辞任した。切っ掛けは数度に亘る失言ということだ。 この点小泉さんは巧妙だった。元日経新聞記者で現早大教授の田勢康弘さんよれば、在任中マスコミのぶら下がり会見などでは、発言のいいとこどりを嫌って、それを切られた…

なぜ世襲議員に投票しなければならないのか?

竹下登元総理の後継者竹下亘さんが窮地に陥っていると言う。それだけが全てとは言わないが、竹下登さんは島根県下の土木建設業者からの支持が強かった。竹下王国である。 それが公共事業の衰退とともに、これまでの建設業者の支持者が毀れ続けている。竹下王…

世襲はなぜ悪いのか?

私は世襲の最大の弊害は”特権”を独占することにあると考える。世襲されても特権を伴わないものであれば問題としない。 わが国では古来一子相伝という考え方があり、学問や技芸の奥義・秘法を自分の子のそれも一人だけに伝えることが常態的に行なわれて来た。…

小泉さんはやはり”政局”の天才

昨日本欄に小泉純一郎さんは郵政改革とか市場至上(原理)主義とか四の五の言わないで、自民党をぶっ壊してその時点でお辞めになったらさぞかし歴史に残る名政治家になったであろうと書いた。 まさか小泉さんがそれをお読みになったわけではないだろうが、昨…

麻生内閣にノブレス・オブリージュの期待

麻生内閣が船出した。この内閣への私の関心は唯一その”世襲度”である。 9月3日の本欄で『世論力テレビweb』の引用で、自民党の二世・三世議員等の数が過半数を超えていることを書いた。 その延長線で麻生内閣の世襲度を知らべてみて驚いた。ここでの世襲は…

ブルジュ・ドバイはバベルの塔?

中東産油国が豊富なオイルマネーにモノを言わせて、大変身を遂げようとしている。世界経済の低迷を尻目にこの地域だけは別天地であるようだ。 典型がドバイである。金融と観光を二大柱として着々と準備を進めている。市街地には高層ビル群が立ち並び、緑地に…

リーマン破綻の本質−必要な直接金融と間接金融の峻別−

9月18日付日経「経済教室」に慶應大の池尾和人教授が『裁定業務の限界を超えよ』という論文を発表されている。 ここでは、金融機関の活動にはアービトラージ(裁定)型金融と、バリューアップ(価値創造支援)型金融の二つのあることが指摘されている。 単純…

リーマンの破綻はアメリカン・スタンダード終焉の第二章

世界の会計基準が国際(欧州)基準に統一されつつあるが、これをアメリカン・スタンダード終焉の第一章とすれば、今回のリーマン・ブラザースの破綻はその第二章である。 1980年代の米国経済は財政と貿易の双子の赤字に呻吟し、一方で製造業をはじめとする産…

AIGの危機−保険会社のデシプリン−

米第四位の証券会社リーマン・ブラザースが経営破綻した。一方で米最王手の保険会社AIGは政府からの支援が決定し破綻を免れた。米政府は「私企業は救わない」という政府方針を変えて、AIGを救済したわけである。 リーマンもAIGも広義の金融機関であ…

ちょっとやんちゃな話

昨日は札幌に来ていること、私が北海道出身であることを書いた。その延長線で今日も書く。北海道の道路は実に整備されている。だが私が子供のころは少し市街から出ると、未舗装の道路が広がっていた。砂利道の穴ぼこだらけの道を私たちは算盤道路と呼んでい…

札幌にて−地方経済の疲弊

今日から札幌に来ている。私は北海道出身であるが、今回は久しぶりの北海道である。北海道経済の疲弊はマスコミ等の報道で理解しているつもりだった。しかしこれを目の当たりにすると、また大分感慨が異なる。 何が違うのか? 建物に勢いがないのだ。建物に…

総裁選挙も「美人投票」

自民党総裁選に麻生太郎さん以下5人が名乗り出て、実に賑々しい。しかし不思議でならないのは、ほんの一年前に自民党は麻生さんに対してはっきりとノーと言ったはずである。 麻生さんの公約は昨年と大きく変わってはいない。にも拘らず麻生さんが選出される…

三笠フーズさん、いきなり解雇は酷すぎやしませんか?

事故米偽装で世間を騒がせている三笠フーズが早々と全従業員を解雇した。ミートホープ、船場吉兆などいくつの会社が食品偽装に端を発して潰れ、いったい何人の従業員から職場を奪って来たであろうか? やるせない気分である。 こうした会社の社長は一様にワ…

またもや食品偽装(承前)−呑んべいのボヤキ

昨日もこのテーマで書いた。昨日からの動きでは事故米を購入した焼酎メーカーが名乗り出て、安全性が確認されるまでという条件付で製品の自主回収を開始した。また事故米を「使用していない」とする業者は積極的にそのことをアッピールし始めている。ここま…

またもや食品偽装

またもや食品偽装である。中国など全く非難出来ない由々しき事態である。この国は本当にどうなってしまうのであろうか? 事件を起こしたのは大阪の米販売会社・三笠フーズ。工業用途として政府から購入した、高濃度農薬残留米とカビ毒発生米を食料用途として…

経済政策を考える(下)−経済政策以前の問題

絶妙な手綱捌きで就任直後に見舞われたブラック・マンデーを乗り切って以降、数々の難局に立ち向かう中で1990年代の米国経済の”黄金時代”を演出した立役者として、A・グリーンスパン前FRB議長の評価は高い。彼のFRB議長在任が1987〜2006年の長きに亘…

経済政策を考える(中)−金融政策の憂鬱

金融政策について考える。 金融政策は片肺飛行である。片肺の意味は金利政策が機能不全に陥っているからである。金利が限りなくゼロに近い低空飛行を続けている中で、ただ今現在は量的調整しか機能していないと言ってよい。 名目金利が限りなくゼロに近い状…

経済政策を考える(上)−まずは財政政策

今度の自民党総裁選は、経済政策が最大の争点ということである。経済政策を大いに論じるのはよい。だが選挙目当ての安易なばら撒き政策だけはもうさすがに止めて欲しい。 近年の経済政策が問題なのは、政策がとられてもそれがちっとも”自律回復”の呼び水にな…

「国際会計基準」の世界標準化は、米国凋落の第一歩

一般紙のトップが「次期自民党総裁選び」に右へ倣いしている中で、4日付け日経新聞のトップ記事は「日本、国際会計基準導入へ」というものであった。 現在世界の主な会計基準は、欧州を中心に世界100カ国以上が採用している「国際基準」と、売上基準・指針…

「世襲」こそ諸悪の根源と心得よ!

『週刊ダイヤモンド』8月30日号では、「格差世襲」という特集が組まれた。同記事では、格差は世襲・固定化され、政治家、官僚、経営者なども世襲にまみれていることが指摘されている。 中でもショックなのは、『世論力テレビweb』からの引用データであ…

二度あることは三度ある−麻生さん大丈夫ですか?

昨日(1日)夜、福田康夫総理が辞任表明をされた。安倍晋三前総理が同じようなサプライズ辞任をしてからまだ1年にも満たない、この時期にである。 開いた口が塞がらないのでもうこれ以上申し上げたくないが、安倍さんの時にも触れたとおり、こんな形でお辞め…

科学技術関係費−第二の公共事業費化の懸念

9月1日付日刊工業新聞によると、2009年度の科学技術関係費の概算要求額は、政府全体で前年度予算費14.3%増の4兆818億円になったということだ。このうち文科省分が同13.4%増の2兆6,283億円。これは全体に対する比率が64.3%と過半数を占めている。 文科省の予…