ちょっとやんちゃな話

昨日は札幌に来ていること、私が北海道出身であることを書いた。その延長線で今日も書く。北海道の道路は実に整備されている。だが私が子供のころは少し市街から出ると、未舗装の道路が広がっていた。砂利道の穴ぼこだらけの道を私たちは算盤道路と呼んでいた。
ところが今は見違えるようである。東京近辺であれば絶対に有料であるような道が文字通りフリーウェイである。たとえ100キロのスピードを出しても、東名や首都高よりはるかに安全である。何せ車がほとんど行き交わないのであるから。そしてそうした道と平行して本当の高速道路が走る。
これは皆旧北海道開発庁、現国交省北海道局のお陰である。昔外務省のお役人の話を聞いていてなるほどと思ったことがある。世界中を相手にする外務省の職員が4,000人であるのに、北海道一地域しか担当しない北海道開発庁の職員が10,000人を超えている。これで十分な外交が出来ますかというのである。
そうした人員とピークには多分兆を超えたであろう予算をもって道路を作り続けたわけであろから、よい道路が出来て当然である。その挙句が汚職の摘発である。
宮崎県の某知事が宮崎には高速道路が必要だとがなりたてていたが、北海道は特異な例としても、道は全国津々浦々まで必要な道路は整備されていると見てよい。
財政赤字を議論するのであれば、まず道路を中心とする公共事業、農業補助金、中小企業対策費、これらの政策効果の評価を厳密にやるべきである。
特定の分野に血税を注ぎ込む場合には、当然のことながらその予算措置があまねく、国民全体の福祉向上に繋がるものでなければならない。
そうしたレベルの評価に堪え得ればよい。だが恐らくはほとんどが合格点に達しないであろう。
とすればやんちゃな議論であるかもしれないが、一旦全部止めたらいい。止めてみて困ることが起きるかどうかである。この場合仕事がなくても公務員は辞めさせることはない。人件費を払っても、何もしてくれない方が却ってプラスが多いかもしれないからだ。
いずれにしても農家も、土木業者も、中小企業も皆私企業である。何時までも予算頼みの私企業は本来的に不要である。とっくの昔に退場宣言されていなければならない。
これを経済対策の名を借りて生き延ばさせることは、とても国民経済的に是認されるものではないはずである。そうした糞も味噌も一緒の政策が財政赤字をより巨額化させていることは間違いない。
そのためには一旦休止の荒療治も必要ということである。