西水美恵子さんへPPKの薦め

8月11日付日経新聞の経済教室欄に書かれた西水美恵子さんの論文にまったく同感である。
西水さんはソフィアバンク・パートナーで、元世界銀行副総裁の肩書きを持つ方である。
同氏の論文は、人口減少問題に触れたもので、この問題を逆境とばかりにとらえるのではなく、奮起一番、ここに光明を見出せというものである。そして、3つの可能性が示される。①(人口が減少する反面)資本集約化が進み、(労働)生産性が飛躍的に高まること、②高齢者がより尊重される国に変わること、③女性の活躍がさらに広がる可能性があること、がそれである。
翻って私も年来同様の主張を行なって来た。
私が考えるのは、人間命のある限り、生きて行かねばならない。年金が当てにならなければ高齢者も働かなければならない。したがって、政策は「高齢者の働く環境作り」に役立つものに高い優先順序を与えるべきであるということだ。
先般も企業はPPK(ピンピンコロリ)をミッションとすべきであるとのエッセイーをものにして発表した。要旨は以下のとおりである。
基本的に、①同程度の国土面積を持つ西欧諸国と比べて、わが国の人口は多すぎ、減少した方が本来的には望ましいこと、②高齢者が働き続ければ、若年層の負担も当然緩和されること、をまず認識しなければならない。そして国民はいたずらに少子高齢化の影に怯えるのではなく、知恵を尽くさなければならない。高齢者が意欲的に働くことの出来る環境を作る必要がある。
具体的には、①高齢者の健康維持政策を大胆に進めること、②高齢者の作業負担を緩和するための技術開発(たとえば、ロボットスーツのような)を一層推進すること、などをその柱と考える。
そうすればPPKの条件が整えられる。それほど体力を使うことなく仕事をし、元気に働き続けることが出来る。働き続ければ若年層の負担も軽減される。そして高齢者にとって、何よりもいいことはピンピン働いてコロリと死ねること(PPK)である。
雇用の場を直接提供するのは企業でしかない。企業においては、定年延長、高齢者への雇用保障策などが採用されなければならない。したがって政府はもとより、企業においてこそPPKをミッションとすべきである。
概ねそんなところですが、西水さん如何でしょうか?