谷本選手の金メダルに思う

谷本歩実選手が12日女子63㌔級で金メダルを獲得した。
決勝の宿敵ドコス選手との一戦では、相手をきれいに裏返す見事な内股での一本勝ちであった。
そして谷本選手は試合後のインタビューに答えて、「一本勝ちを貫いて来てよかった。続く子供たちも一本勝ちにこだわる柔道をして欲しい」との趣旨の発言を行なった。
もう随分昔になるが、私が柔道をしていた時にコーチから口を酸っぱくして言われたのは、「決して腰をひくな」。その一点であった。
「差し出争いのようなセコイことをせずに、相手にも充分に組ませて正々堂々と技を競え」。そういう趣旨がこの言葉に込められている。
私が習った柔道から見れば、最近の柔道は柔道ではない。
世界の柔道界が「セコくても勝てばよしとする」柔道を認めるのであれば、日本は本来の柔道の精神を取り戻すために、世界柔道から離脱し、世界”日本流”柔道協会を創設することが必要だとさえ思っていた。
そこへ谷本選手の勝利の吉報。
全ての柔道家に訴えたい。谷本選手にならって、一本勝ちの美しさ、その気持ちのよさにどうぞ気づいて下さい。そして王道を歩んでください。
夕べは本当に考え深い一夜であった。谷本選手、本当に有り難う。