改めてリーダーの資質と自民党議員の責任を問う!

 先週の土曜からこの金曜まで体調を崩して不覚にも緊急入院してしまった。入院は子供の頃を除けば、初めての経験と言っていい。それなりにショックであったが、この間暇に任せて一層「共謀罪」法と、加計問題を注視していた。それにしても「共謀罪」法の参議院本会議による決着は酷いものであった。まさかとは思ったが、中間報告などという禁じ手を使うことなど夢想だにしなかった。加計問題では会期末ギリギリになって、追加調査結果を出して来た。色々不備はあるが、それなりに前川さんの発言の真正さが確認されたことは、一定程度評価されていい。ただ一方の内閣府の調査は相変わらず臭いものに蓋という対応ぶりで、非常に醜いものであった。
 そこで安倍さんである。ここまで国民を愚弄して憚ることがないのはなぜなのだろうか? 彼の獲得目標は何なのだろうか? 一説には北方領土問題を解決してノーベル平和賞をゲットし、歴史に名を残すことだとも言われる。不思議なのはこれは飽くまでも結果であり、獲得目標ではない。ノーベル省は、何かを獲得した結果に付いてくるものである。「共謀罪」法にしても、これが成立しなければオリンピック・パラリンピックが安全に開催出来ない。だからこの法律が必要だとする。だがこれもかくかくしかじか、この法律を施行することによって懸念されるリスクが軽減されるので、結果オリンピック。パラリンピックが安全に開催されるという説明ぶりにはならない。論理が鯱立ちしてしまっている。
 一般論として一国のリーダーたる者は、第一に、生来の「知性」、第二に、公明正大な「倫理感」、第三に、客観的な「歴史認識」を持っていなければならない。翻ってわが安倍さん、並びに取り巻きの与党の皆さんは如何であろうか? これまでの一連の経緯を見る限り、残念ながらこれらの条件は明らかに満たしていない。しかるになぜこうしたリーダーが選ばれてしまったのだろうか。自民党に多くの議席を与えたのは国民である。しかし安倍さんを国民は選んだわけではない。選んだのは自民党の先生方である。前回の総裁選では一般党員票を反映する第一回投票では石破さんが圧倒していた。それが議員票による決戦投票で安倍さんは薄氷を踏む思いで、やっとのこと当選したにすぎない。要は自民党の先生方の都合で選ばれたにすぎないということだ。
 忘れてならないのはこのことだ。安倍さんの暴挙が直接的にやり玉に挙げられるのは当然のこととして、安倍さんを選んだ自民党の先生方は、阿部さん本人以上に責任を感じなければならないはずである。だが未だその責任を十分に感じているように見える先生は、ほとんど皆無である。国民をこれだけ愚弄しておいて、今の身分が将来的に保証されるとお考えになっているのであろうか? 「天知る、地知る、人知る、我知る」。今度こそ国民は忘れない。