待ちに待った瞬間。内閣支持率急落

 6月1日付「日経電子版」のインターネットを通じた世論調査(5月27〜30日実施)によれば、安倍晋三内閣支持率は26.7%と、前回調査(5月20〜23日実施)の52.1%から25.4%ポイントの、まさしく”超”急落となったということである。また地域限定ではあるが、北海道新聞の全道世論調査(5月26〜28日実施)でも、内閣支持率は41%ポイントと4月調査から12%ポイントの低下。逆に不支持率は57%と前回調査から12%ポイントの上昇し、結果、支持率と不支持率は完璧に逆転した。
 これは当たり前のことであろう。内閣支持率の高いことを唯一強弁の材料にして来た、安倍さんの首相としての正当性はこれで完璧に崩れたと言えるだろう。待ちに待った瞬間である。私は別にいわゆる”左”ではない。朝日の論調が嫌いで、つい最近まで読売を購読していた。過去には産經も取っていた。諸君も好きである。しかし安倍さんならびにこの内閣はあまりにも酷すぎる。だから声を上げている。
 今日(6月7日)の本会議における決算承認で共産党の議員が反対討論を行っていたが、財政難を口実に平気で福祉を切り捨て一般国民に負担増を強いる一方で、大企業には減税。加えてモリ・カケのお友達には血税を割いて便宜を図る。北朝鮮の脅威で国民の不安をいくら煽っても、もうこれ以上は無理である。
 安倍内閣河野洋平さんが言うように、実に不思議な政権である。安倍さん自身は保守を自認しているようであるが、お友達であった籠池さんによってまさしく明らかにされたように、”ネトウヨ”みたいなものである。思想信条に対する覚悟が微塵も見られない。彼が気にするのは政局・選挙だけ。国民も、国会議員も、自民党員も、お役人もあるかないかよく分からない危機感で煽り、言うことを聞かない場合には恫喝の繰り返し。
 もともと安倍さんは選挙で「圧倒的に支持されている」というように勘違いされているようだが、そうではないであろう。2012年の総裁選では、地方票で圧倒的支持を集めたのは石破さんであった。それが決選投票で逆転して勝利したのが安倍さんである。地方票は一般党員の投票であり、安倍さんの大好きな世論に従うのであればこれを尊重しなければならないはずである。決選投票は色々な思惑の産物であり、不透明さが払拭できない。要はここでも安倍さんの二枚舌の面目躍如。そもそもから彼が選出された正当性は肯定できないのである。
 安倍さんの国会答弁は聞いていて恥ずかしくなるくらいのレトリック・詭弁の繰り返しで、まったく不誠実であるし、したがってそこには知性のかけらも認められない。G7をご覧頂きたい。昨年の伊勢志摩サミットはホスト国としての成功ばかりが喧伝されているが、安倍さんの無知・無能さを曝け出したばかりである。オバマさんやメルケルさんの冷笑をまったく感じなかったとしたら、その厚顔さには本当に呆れ返ってしまう。トランプさんとつるむのがせいぜいお似合い。とにかくこの首相を頂くのはもう勘弁して欲しいと、つくづく思う。