国民不敬罪もしくは侮辱罪

 昨日の参議院本会議。民進党真山勇一議員の質問に対する安倍さんの答弁は何時ものことながら、国民に対して大変失礼なものであった。例えば加計問題。真山さんの質問は「なぜ加計学園に落ち着いたのか」ということなのだが、一般論で「岩盤規制や既得権益に風穴を開けることの重要性」を繰り返すばかり。このことに正面切って反対する者が稀であることを逆手に取った、極めて姑息なすり替え論法である。
 安倍さんはこれまでも質問者の真意を一向に”忖度”することなく、「言葉づかいが失礼」「印象操作」と本質論とは関わりのないところで揶揄する一方で、「内閣支持率は高い」とし、「悔しかったら支持率を挙げて見ろ」との口吻で恫喝する。これは責任ある内閣総理大臣の答弁とはとても思えない、かなり下品なものである。安倍さんはとりわけ民進党を馬鹿にしているつもりなのかもしれないが、その先の国民を馬鹿にしていることになぜ気がつかないのだろうか。
 安倍さんの発言は国民に対して大変失礼であるし、まともに答えないという意味で印象操作に終始していると言っていい。籠池さん、前川さんに対しても反論の証拠を一切提示することなく、「あいつは悪い奴だから、信用出来ない」という、馬鹿馬鹿しいほど幼稚な人格攻撃で臭いものへ蓋。これは、「あいつは好い奴・悪い奴」で人物評価を図る、盟友トランプさんの思考回路と一緒である。
 いずれにしても内閣支持率が高いか低いかは別にして、目下の一連の問題に対して、菅さんを含めて内閣答弁が論理破綻していることは間違いない。正義の第一用件は整然たる論理である。誰にも分かる理屈で説明出来ないところに、正義は存在しない。回答者の判然としない内閣支持率などどうでもいいのだ。私は、これまでの安倍さんの国会答弁は、「国民不敬罪」「国民侮辱罪」があれば、その罪に値するものであると考える。国民はそのことに胸を張って立ち向かわなければ、とても”美しい国」の住民たる資格はないであろう。