東日本大震災の一周年に寄せて

 本ブログを書ききれなくなったのは、やはり東日本大震災の影響が大きい。何を書いても虚しいのである。大震災からようよう一年が経った。長い長い一年であった。勤務先の大学はボランティアにきわめて積極的であり、学生も教職員も被災地に茂く足を運ぶ。だがそれでも被災者の方々が根本的に癒される日は遠いであろう。
 十一日から十日ばかりすぎた。かなり間が抜けているが、鎮魂の意を込めて下手な歌二首を捧げる。いずれも放射線=「魔」を前にして無力感に苛まれている気持ちを詠んだつもりである。


    北方(きたかた)に
    魔が降り荒(すさ)び
    民泣くも
    今宵騒(ぞめ)きて
    盃(はい)捧げつる


    魔が降ると
    人言(ひとこと)づてに
    聞きぬれど
    花満ち満ちて
    風また緩む