小沢さぁ〜んへの質問状

 小沢さんは多分にグレーです。もしかしたら黒であるのかもしれません。現段階では私にそれはよく分かりません。ただいずれにしても不思議なことだらけであるわけです。ここではそうした不思議さを追及してみようと思います。以下、小沢さんが「不正なカネを手にしている」ことを大前提(仮説)として、小沢さんへの質問状を纏めてみました。
 まず不思議の第一は、よい悪いは別にして小沢事務所が政治資金で不動産を購入していることです。そこに不正なカネが紛れ込んでいるのだとしたら、なぜ不動産というそんな目に見えるものに投資したのでしょうか? 裏金のイメージは、壷や隠し金庫の中の現ナマあるいは金の延べ棒。または金丸信さんご愛顧の今は亡きワリシン(割引金融債)。そんなところです。
 裏金のイメージから見れば、不動産に投資することなど不思議でならないということです。例え報告書に記載されていなくても登記所で調べればすぐに分かってしまうようなものに、なぜ投資しなければならなかったのでしょうか?
 不思議の第二は、小沢さん個人が提供したという4億円について、そのカネの中に不正なカネが入っているために、それをそのまま使えば足が着いてしまう。それでそのカネを一旦預金に預け入れその預金を担保に借入れを起こした。その行為がマネーロンダリングを意図したものだということです。しかし、こんな素人目にも明らかすぎる手法でマネロンの役割が果たせるのでしょうか?
 さらに、そもそもカネがあるのにわざわざ預担で借入れするのはおかしい。そんな妙な手を使うから疑いが増すのだともいわれています。だがこれは金融を知悉しない八っあん、熊さんの長屋談義レベルの発言ではないでしょうか? 預担借入は事業金融の世界では問題なくありえることです。預金はいざという時の生命線です。折角貯めた預金を滅多なことで取り崩したくないのは、経営者であっても個人であってもそれが人情というものでしょう。
 預金を一旦崩してしまえば、また一から積み立てるのは大変なことです。それよりは多少の金利を払っても、預金を担保に借入れした方が預金の残高を「確保」しやすいわけです。また預担借入に係る金利は預金金利+αということで、実質的な金利負担はα部分にすぎません。こうしたことが疑惑を呼ぶこと自体、私にはよく分からないのです。
 不思議の第三は、手許資金を家族名義にしていたことです。生前贈与は年間110万円まで認められていますが、それ以上のカネの動きは税務署が鋭くウォッチングしています。そうした中で現金を原資として一度に億単位の預金が作られたりすると、これは銀行を調べればすぐにバレることであり、税務署の格好の餌食となってしまいます。
 このことは時効にかかるからということであるのかもしれませんが、形式的には明らかに相続税法違反です。脱法行為であるといえます。そうした成行きは大した税務知識がなくても、予め想定がつくことだと思います。にも拘らず、なぜこうした愚挙に出たのでしょうか?
 以上不思議に感じてならないことを三点挙げてみました。特捜やマスコミが騒ぎ立てるように不正な資金が背景にあるのだとすれば、そんなすぐに足が着くようなカネでなぜわざわざ不動産を購入したのだろうか? マネーロンダリングを図る意図があったとして、預担借入などという稚拙な手段をなぜ用いたのだろうか? 税務当局が調べればすぐに分かるにも拘らず、家族名義の預金をなぜ作らなければならなかったのだろうか? ということであります。
 要するに私が不思議でならないのは、小沢さんないし小沢さんの一党が、こうした極めて初歩的な下手うちをするか否かということです。あの老獪な小沢さんと海千山千?の秘書軍団諸氏がそんな幼稚な過ちを犯すだろうかということです。囲碁の達人である小沢さんがこうした詰めを誤ったとは、私にはどうしても信じられないのです。
 もっとも小沢さんたちが本気で不正なカネを不動産投資に注ぎ込んだり、マネーロンダリングのために預担借入を活用したり、税金を払わずに家族名義の預金を作ったりしても、決してバレない、大丈夫だと踏んでいたのだとしたら、まさしく噴飯物である。小沢さんが自他共に認める大政治家であったとしても、この国難甚だしい時代に国の命運を託すに値しないことは明らかであろう。きちっとした説明が求められるのは当然のことであります。