世論調査はもっと慎重に

 安倍さんは世論に敏感である。世論=選挙という認識であろう。兎に角神経質に反応する。ある意味当たり前のことではある。世論が政治を決めているということである。そんなに重要な調査なのであるが、回答者は1000人程度である(本日発表の読売新聞調査では、1100人)。要するに統計学的信頼性は別にして、1000人程度匿名者の意見が日本の将来を決定しているということだ。内閣支持率⭕%の数字には関心はあるかもしれないが、こうした調査の仕組みにまで注意を払うことは恐らく限りなくゼロに近いであろう。
 そこで提案である。世論調査を主宰する機関はまず発表の時に、「回答者が何人の調査であるかを必ず明らかにすること」。それと回答者に対しては、「名前の公表を義務付けること」。匿名でなければ回答出来ないのだとすれば、そもそも回答者としての資格はない。回答に答えるのであれば、回答者は少くとも自らの回答の重みを十二分に自覚していなければならない。そのためには、名前が公表されることのリスクを覚悟するのは最低限の条件である。

 安倍内閣の支持率は未だに50%を上回っている。だが本当に問題はないのだろうか。年金、老人医療、待機児童、消費税の引き上げ延期、TPPの強硬採決、パリ協定の未批准等問題山積のなか、国家債務は1000兆円を超えてしまった。そしてそれよりも何よりも、毎年税収と同程度の借金をしなければ、予算が組めない現実。にも拘わらず、安倍さんはあたかも自分のポケットマネーのように、意図も気軽に多額の対外援助を約束してしまう。12月にはプーチンがやって来る。ここでも北方領土を買い戻すために、血税を使うつもりなのか。安倍内閣を支持するという人たちは情緒に流れるのではなく、ロジックをもってその問いに答えて欲しい。貴方がたの善意かつ不用意な回答が日本の将来を危うくすることだけは、十分に理解しなければならない。